ピンクスクワットロブスターとの出会い
「海案内は、錦江湾専門」と思われることが多いのですが、そんなことはありません。鹿児島県下津々浦々、湖に池に川（最近は田んぼには行ってませんが……）あちこちに潜っています。いろんな水環境がある鹿児島、あちこち潜らないともったいないですからね。
さて、僕が錦江湾以外でよく行くところのひとつに、坊津町の海があります。薩摩半島南西端に位置する坊津の海は、黒潮の分流の影響を強く受け、カラフルな南方系の生き物たちがたくさん暮らしています。透明度も良くて、錦江湾では、めったに見ることができないカラフルなダイバーの皆さんもたくさんいます。他のサービスのガイドさんたちと情報交換しながら潜るのも、とても楽しいです。
そんな坊津の海、この冬は水温がいつもより下がらず南方の魚たちがたくさん越冬しました。ある日、初越冬した大好きなタレクチウミタケハゼのチビに会いに、スリバチカイメンを訪れました。複雑に入り組んだカイメンの側面にライトを照らして、彼の姿を探していると、目に飛び込んできたのは、見覚えのある毛むくじゃらな姿。 それはまぎれもなく、1cmにも満たない小さなピンクスクワットロブスターでした。
雑誌や図鑑で眺めては、一度見てみたいと思っていた生き物との、予期せぬ出会いでした。こんな近くにいたんだね！