オキナワベニハゼ Trimma okinawae

 ハゼ科。3cmほどの小さなハゼ。錦江湾では、水深10mほどの岩礁で見られます。岩の穴やオーバーハングに逆さまにくっついていることが多いです。水中で見ると、地味な色に見えますが、ライトを当てると、とってもきれいです。夏から秋、繁殖期を迎え、いろんな行動が見られます。雄は小さな穴や、貝殻を巣とし、巣穴と雌のあいだを行ったり来たりして雌を誘います。小さな体の小さな鰭をいっぱいに広げてディスプレイを繰り返す姿は、とてもかわいいです。産卵後、雄は卵を守ります。運良く、中が覗ける巣穴だと小さな小さな卵を見ることができます。生んだばかりのものは、淡い山吹色です。やがて、発生が進み卵の中に目ができます。水中ライトの光を反射してきらきら光ります。卵の中の稚魚はやがて、海中に旅立ちますが、こんな小さな命が生き残る確率は、本当に小さなものでしょう。それを、生き抜いて、子育てをしているベニハゼ父さんは、本当にすごい奴だと感心します。
 穴の中や、オーバーハングでの観察では、SCUBAの排気に要注意です。排気の泡が、生き物を驚かせるだけでなく、穴やオーバーハングの天井を破壊することがあります。そういった場所は、イボヤギやカキ類などの無脊椎動物が厚く付着していることが多く、それらが崩れ落ちることがあるのです。また、窪みにはエアがたまり、そこの付着している動物は呼吸できず死んでしまいます。ダイバーの数が少なければ、エアは、岩の透き間を抜けて行くか、水に溶け込みますが、ひっきりなしにダイバーが来るところでは、損傷が目立ちます。気遣いが必要です。

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